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TLS通信とは?SSLとの違い・仕組み・必要性をわかりやすく解説
公開日:2024.02.27
更新日:2026.04.03
コラム
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目次
こんにちは。株式会社クオリティアです。
TLS通信とは、インターネット上で送受信されるデータを暗号化し、第三者による盗聴や改ざんを防ぐための仕組みです。
本記事では、TLSとは何かという基本的な内容から、よく混同されるSSLとの違い、通信が保護される仕組み、そしてビジネスにおける必要性までを分かりやすく解説します。
安全な通信の土台となるTLS通信を理解し、情報セキュリティの知識を深めましょう。
TLS通信とは?インターネット上の情報を守る暗号化技術の基本
TLS(Transport Layer Security)とは、インターネット通信を暗号化するためのプロトコル(通信規約)です。
Webサイトの閲覧やメールの送受信といった日常的なやり取りにおいて、データが第三者に盗み見られたり、書き換えられたりすることを防ぎます。
具体的には「盗聴」「改ざん」「なりすまし」という3つの脅威から情報を守る役割を担っており、現代のインターネットにおける安全性の根幹を支える重要な技術です。TLSについて理解することは、情報セキュリティの第一歩となります。
TLSとSSLの違いを解説!実はバージョンが異なるだけ
TLSとSSLは、どちらも通信を暗号化するという目的は同じですが、そのバージョンの新旧に違いがあります。
SSLが先に開発され、その後に発見された脆弱性を改良して登場したのがTLSです。
つまり、TLSはSSLの後継バージョンにあたります。
現在、安全な通信で実際に利用されているのはTLSですが、歴史的な経緯から「SSL/TLS」のように併記されることが多く、これが混乱の原因となっています。
役割を終えた旧バージョン「SSL」
SSL(Secure Sockets Layer)は、1990年代に米ネットスケープ社によって開発された、通信を暗号化するためのプロトコルです。インターネット上でクレジットカード情報などを安全にやり取りする技術として広く普及しました。
しかし、その後の研究で設計上の深刻な脆弱性が複数発見されました。 代表的なものに「POODLE」と呼ばれる脆弱性があり、これを悪用されると暗号化された通信内容を解読される危険性があります。
現在ではSSLのすべてのバージョンが利用非推奨となっており、TLS 1.0やTLS 1.1も同様に非推奨とされています。より安全な通信のためには、最新のTLSバージョンへの移行が完了し推奨されています。
SSLの弱点を改良した新バージョン「TLS」
TLS(Transport Layer Security)は、脆弱性が発見されたSSLを標準化し、安全性を高めるために開発された後継プロトコルです。SSL 3.0をベースに、より強固な暗号化アルゴリズムの採用や、改ざん検知機能の強化が図られました。
TLSはバージョンアップを重ねており、TLS 1.0、1.1には脆弱性が発見されたため、現在では利用が非推奨となっています。
ビジネスで利用する際には、セキュリティレベルの高いTLS 1.2以上のバージョンに対応することが、安全な通信環境を維持する上で不可欠です。
なぜ今でも「SSL/TLS」と表記されるのか?
現在、通信の暗号化にはTLSが使われているにもかかわらず「SSL/TLS」と併記されることが多いのは、SSLという言葉が歴史的に広く普及し、定着したためです。
暗号化通信の代名詞としてSSLという名称が長年使われてきた名残で、一般ユーザーにも馴染みがあることから、慣習的に使われ続けています。
Webサイトの暗号化に使うサーバー証明書が、今でも「SSL証明書」と呼ばれるのも同じ理由です。 実態としてはTLSを指していると理解しておけば問題ありません。
TLS通信はどのように安全を確保する?暗号化の仕組みを3ステップで解説
TLS通信の安全性を支える仕組みは、「ハイブリッド暗号方式」と呼ばれ、公開鍵暗号方式と共通鍵暗号方式という2つの方式を組み合わせて実現されています。
この流れは、まず安全性の高い公開鍵暗号方式で暗号化に使う「共通鍵」を安全に交換し、その後は処理速度の速い共通鍵暗号方式で実際のデータをやり取りします。
この一連の流れにより、安全性と通信速度を両立させています。 この仕組みは、大きく3つのステップに分けられます。
ステップ1:通信相手が本物かを確認する(サーバー認証)
通信を開始する際、まずクライアント(ブラウザーなど)は、接続先のサーバーが正当な運営元であるかを確認します。
サーバーは、第三者機関である認証局(CA)が発行した「サーバー証明書」と「公開鍵」をクライアントに提示します。
クライアントは、この証明書が信頼できる認証局から発行されたものかを検証し、通信相手が本物であることを確認します。
この機能によって、フィッシングサイトなどのなりすましを防ぎ、ユーザーは安全なサーバーに接続していると判断できます。
ステップ2:暗号化するための共通の鍵を生成・交換する
サーバーが本物であると確認できた後、実際のデータを暗号化するための「共通鍵」を安全に共有します。
クライアントは、サーバーから受け取った公開鍵を使い、共通鍵の元となる情報を暗号化してサーバーに送ります。
この暗号化された情報は、サーバーが持つ「秘密鍵」でしか復号できません。これにより、通信経路上で第三者に盗み見られても共通鍵そのものが漏れることはなく、クライアントとサーバーの間だけで安全に鍵を共有することが可能になります。
あわせてよみたい:【TLS通信解説】①鍵交換アルゴリズムについて
ステップ3:生成した鍵でデータを暗号化して通信する
ステップ2で安全に共有された共通鍵を使って、クライアントとサーバーは実際のデータを暗号化し、通信を行います。
共通鍵暗号方式は、公開鍵暗号方式に比べて処理が高速であるため、大量のデータを効率的にやり取りするのに適しています。
この一連の流れにより、通信の機密性が保たれ、第三者によるデータの盗聴や改ざんを防ぐことができます。
通信が終了すると、その都度使用した共通鍵は破棄され、次回の通信では新たな鍵が生成されるため、安全性が維持されます。
なぜTLS通信がビジネスで重要?情報漏えいを防ぐための2つの役割
ビジネスにおいて、顧客情報や取引データ、機密情報など、外部に漏れてはならない重要な情報を日常的にやり取りします。もしこれらの情報が漏えいすれば、金銭的な被害だけでなく、企業の社会的信用の失墜にもつながりかねません。
TLS通信は、こうした情報漏えいリスクを低減させるための基本的なセキュリティ対策です。
特に「通信経路での盗聴」と「通信内容の改ざん」という2つの大きな脅威から情報を守る上で、不可欠な役割を果たします。
役割1:通信経路でのデータ盗聴による情報流出を防ぐ
TLSで暗号化されていない非暗号化通信は、データが「平文」のまま送受信されるため、第三者が通信経路を監視していれば、IDやパスワード、個人情報、取引内容などを簡単に盗み見ることが可能です。
特に公衆Wi-Fiなど、不特定多数が利用するネットワーク環境ではその危険性が高まります。TLS通信によってデータを暗号化することで、万が一通信が傍受されたとしても、その内容を解読困難にします。
これにより、機密情報の漏えいを防ぎ、安全なデータ通信を実現します。
役割2:通信内容の改ざんによる被害を防ぐ
TLSは、通信内容が途中で第三者によって不正に書き換えられていないかを検証する「改ざん検知」の機能も提供します。
もし通信が非暗号化状態であれば、攻撃者は通信に割り込み、例えば請求書の振込先口座を書き換えたり、偽の情報を送りつけたりすることが可能になります。
TLS通信では、メッセージ認証コード(MAC)と呼ばれる値をデータに付与することで、受信側でデータが送信時から変更されていないかを確認できます。
これにより、データの完全性を保ち、改ざんによる被害を未然に防ぎます。
TLSはメールの送受信でも活躍!身近な利用シーンを紹介
TLS通信は、Webサイトの閲覧だけでなく、私たちのビジネスに欠かせないメールの送受信においても、その安全性を確保するために広く利用されています。
メールには企業の機密情報や個人情報が含まれることが多く、通信経路が保護されていなければ、重大な情報漏えいにつながる可能性があります。
TLSは、メールサーバー間の通信や、Webサイトの安全性を証明する場面で重要な役割を果たしています。
メールサーバー間の通信を暗号化する(STARTTLS)
メールを送受信する際、送信元のメールサーバーから宛先のメールサーバーへメールが転送されます。
このサーバー間の通信経路を暗号化する技術が「STARTTLS」です。
STARTTLSは、通常のメール送受信の手順(SMTP)の中で、TLSを使用する通信に切り替えるための仕組みです。
この技術により、メールがインターネット上を通過する際の盗聴リスクを大幅に低減できます。
ビジネスでやり取りされる機密情報を守るために、メールサーバーでSTARTTLSを有効にすることが不可欠です。
Webサイトの安全性を証明する(HTTPS通信)
WebサイトのURLが「https://」で始まっている場合、TLSを使用し、通信が暗号化されていることを示します。
これはHTTPS通信と呼ばれ、Webサイトの閲覧時に入力するログイン情報や個人情報、クレジットカード番号などを第三者の盗聴から守るためのものです。
ブラウザーのアドレスバーに表示される鍵マークは、そのサイトが信頼できるサーバー証明書を持ち、TLSによって通信の安全性が確保されていることを示します。
ただし、HTTPS接続と鍵マークだけでは、Webサイト自体の信頼性や安全性が完全に保証されるわけではありません。フィッシング詐欺サイトでもHTTPSや鍵マークが表示される場合があるため、利用する際にはWebサイトの提供元や内容も確認することが重要です。
あわせてよみたい:HTTPSが安全なのはなぜ?TLSとの違いや安全である仕組みを解説
ビジネスメールに潜むリスクとTLSによるセキュリティ対策の重要性
ビジネスにおけるメールは、重要な意思決定や顧客とのコミュニケーションを担う基幹ツールです。
しかし、その利便性の裏には、情報漏えいやサイバー攻撃といった深刻なリスクが潜んでいます。 特に、TLSによる暗号化対策が不十分な場合、その危険性は格段に高まります。
企業の信頼と資産を守るためには、メールにおけるTLSの重要性を正しく理解し、適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
TLS非対応だとメールの盗聴・なりすましの危険性が高まる
利用しているメールサーバーがTLSに非対応の場合、あるいは通信相手のサーバーが非対応の場合、メールは暗号化されずに平文で送受信されます。
これは、通信経路上で第三者がメールの内容を自由に盗み見ることができる状態を意味します。 見積書や契約情報、個人情報などが含まれたメールが漏えいすれば、ビジネスに甚大な被害を及ぼす可能性があります。
また、セキュリティの甘いサーバーは攻撃者に狙われやすく、なりすましメールの踏み台にされる危険性も高まります。
企業の信頼性を維持するためにメールのTLS対応は必須
情報漏えい事故は、直接的な金銭被害だけでなく、企業のブランドイメージや社会的信用を著しく損ないます。
取引先や顧客とのメールのやり取りにおいて、セキュリティ対策を講じることは、情報を守るという責任を果たす上で当然の義務です。
メールサーバーでTLSを有効にし、通信を暗号化することは、情報セキュリティに対する企業の真摯な姿勢を示すことにも繋がります。
企業の信頼性を維持し、安心して取引できる環境を提供するために、メールのTLS対応は現代ビジネスの必須要件といえます。
より高度なメールセキュリティ対策でリスクを低減する
TLSは通信経路を保護する上で非常に重要ですが、それだけでメールのセキュリティが万全になるわけではありません。
例えば、送信元を偽装する「なりすましメール」や、悪意のあるファイルが添付された「標的型攻撃メール」など、TLSだけでは防ぎきれない脅威も存在します。
そのため、送信ドメイン認証技術(SPF、DKIM)の設定や、迷惑メールフィルター、ウイルス対策といった機能を組み合わせ、多層的な防御策を講じることが重要です。総合的なメールセキュリティ製品を導入することで、これらのリスクを効果的に低減できます。
TLS確認機能を搭載したメールセキュリティ「Active! gate SS」
ビジネスメールの安全性を高めるソリューションとして、クオリティアが提供する「Active! gate SS」が注目されています。
このサービスには、送信先サーバーがTLS通信に対応しているかを自動で判別する「TLS確認機能」が備わっています。
これまで多くの企業では、メール誤送信や情報漏えい対策として、添付ファイルをパスワード付きZip形式にして別メールで送る「PPAP」という手法が慣習的に行われてきました。しかし、PPAPは手間がかかるだけでなく、セキュリティ上の脆弱性も指摘されています。
Active! gate SSのTLS確認機能を使えば、相手側のサーバーが暗号化通信に対応している場合に限り、ファイルをZip暗号化せずにそのままの状態で安全に送信できます。
受信側はパスワードを入力して解凍する手間がなくなり、送信側もファイルをそのまま送るだけなので、業務効率が大幅に向上します。もし相手がTLS非対応の場合でも、自動的にWebダウンロード形式に切り替えるといった柔軟な対応が可能です。
< TLS確認機能の仕組み >
※TLS対応時
このように、最新のTLS技術を活用することで、利便性を損なうことなく脱PPAPを実現し、企業のメールセキュリティを強固なものにします。
あわせて見たい:PPAPの解決策【TLS確認機能】を徹底解説
TLS通信に関するよくある質問
ここでは、TLS通信に関して多くの人が抱く疑問点について、Q&A形式で解説します。
TLSを導入すればメールのセキュリティ対策は万全ですか?
いいえ、万全ではありません。
TLSはあくまで通信「経路」を暗号化する技術であり、メールサーバー自体への不正アクセスや、受信したメールに含まれるマルウェア、なりすましメールといった脅威を防ぐことはできません。 多層的なセキュリティ対策が必要です。
自分のメールがTLS通信で保護されているか確認する方法はありますか?
受信したメールが暗号化されているかを知るには、メールのヘッダ情報を確認する方法があります。
ヘッダ内の「Received」行を参照し、「with TLS」や「version=TLSv1.2」といった記述があれば、その区間の通信は保護されています。
ただし、ヘッダの解析には専門知識が必要なため、一般の利用者が正確に判別するのは容易ではありません。
より手軽に調べたい場合は、専用の「TLS対応確認ツール」を利用するのが便利です。 例えば、Active! gate SSのサイトでは、調査したいメールアドレスを入力するだけで、送信先サーバーのTLS対応状況を即座に判定できるツールを公開しています。
今すぐ確認する:TLS対応確認ツール
自社の環境が安全に保たれているか不安な場合は、こうしたツールを活用するか、システム管理者に詳細を問い合わせるのが確実な方法です。
最新のTLSバージョンを利用するべきなのはなぜですか?
古いバージョンには脆弱性が発見されており、セキュリティ上のリスクが存在するためです。
バージョンが新しくなるほど、より強固な暗号技術が採用され、安全性が向上します。
安全な通信を確保するため、定期的なバージョン確認を行い、脆弱性のない安定したバージョンを利用することが強く推奨されます。
まとめ
TLS通信は、インターネット上で送受信されるデータを暗号化し、「盗聴」「改ざん」「なりすまし」のリスクから保護するための基本的な技術です。 かつて広く使われていたSSLの後継規格であり、現在、安全な通信の標準として利用されています。
Webサイトの閲覧(HTTPS)はもちろん、特に機密情報を取り扱うビジネスメールにおいて、TLSによる通信経路の暗号化は企業の信頼性を維持するために不可欠な対策です。 ただし、TLSだけですべての脅威を防げるわけではなく、ほかのセキュリティ対策と組み合わせることが重要です。
効率的かつ強固なメールセキュリティを実現する手段として、Active! gate SSの導入が有効です。
本サービスは送信先サーバーのTLS対応状況を自動判別する機能を備えており、安全な経路ではファイルを暗号化せずに送信できるため、脱PPAPと利便性の向上を両立させます。